本当に焼けない人の日焼け止め選び(その1)

「今年の夏こそは絶対に焼けたくない!」

毎年いつもこう思っているのに…
きちんと日焼け止めも塗っているのに…
日傘も差しているのに…
絶対に日陰を歩いているのに…

気が付けば、なぜかこんがり小麦色!

「あの努力は何だったの!?」

あなたもそんな思いをしたことはありませんか?

実は私もこのタイプで、いつも悲しい思いをしてきました。

ただ今年は本気です!

  • 紫外線が皮膚に与える恐ろしい悪影響
  • 絶対にやけない為の日焼け止め選びで気をつけるポイント
  • 日焼け止め以外にも出来ることは?

などについてしっかり調べました!

ネットサーフィンでは信憑性に欠けるので、皮膚科医などの専門家の方が書かれた書籍をメインに調べています。(参考文献はこのテーマの最後の記事にまとめてアップします。)

この情報を私だけではなく、多くの同じような方々と共有したいと思い、記事にしました。

題して、「本当に焼けたくない人の日焼け止め選び」

※長くなりますので、何回かに分けて投稿します。
 一度に読めない方は、ブックマークして頂くことをお勧めします。

なぜ、紫外線に当たると黒くなるの?

絶対に焼けない日焼け止め選びのポイントをお話しする前に、日焼けそのものについてお話します。

日焼け止め選びのポイントの前提知識として、知っていて損はありません。
今後の日焼け止め選びにも大いに役立つので、是非!

紫外線を浴びると、肌がヒリヒリしてきて、気が付けば赤くなったり黒くなったり。
なぜこんなことが起こるかといえば、紫外線が皮膚を透過してダメージを与えてくるからです。

そして、この日焼けには、いくつかの段階があります。

①一次黒化

紫外線を浴びると、すぐに黒くなりませんか?
「もうメラニンが出来たの?早過ぎない?」というくらいのスピードで。
これは、一次黒化といって、主にUVA(紫外線の一種)によって引き起こされます。
紫外線を浴びる前まで淡色だったフェオメラニンというものが、紫外線によって酸化され、黒く見えるために起こる現象です。
なので、早速メラニンが作られたわけではないんですね。

②サンバーン

また、肌がもともと色白だったり、長時間紫外線を浴びていたりすると、真っ赤になって水ぶくれなどを起こしてしまうことがあります。
これは、サンバーンといって、主にUVB(紫外線の一種)によって引き起こされます。

③二次黒化

そして、紫外線を浴びてから数日経つと、徐々に肌がこんがりと黒くなっていきます。
これを、二次黒化もしくはサンタンといい、メラノサイトがメラニン色素を大量に産生したことによる黒化です。
メラノサイトは、表紙細胞の5%程度を占める色素細胞で、表皮細胞の遺伝子を紫外線から守るために、メラニン色素を放出します。
メラニン色素は、ご存知の通りこげ茶っぽい色をしているので、メラニンが大量に作られれば、こんがり小麦肌になるわけです。
この黒化を経た肌が元通りになるには、数ヶ月を要します。

 

以上のような段階を経て、紫外線によって肌は黒くなります。
ただ、③の説明の通り、メラニンは遺伝子を守るために必要不可欠なもの。
メラニンが作られなかったら、速攻で皮膚がんなどになって死んでしまいますので、メラニンを悪者扱いするのは、ちょっと違いますよね。

むしろ、作られたメラニンを含む表皮細胞をスムーズにターンオーバーさせてあげることや、メラニンが作られなくて済むように紫外線を浴びないようにすることが大切です。

本当に怖いのは、肌の奥まで届く紫外線”UVA”

先程の「なぜ、紫外線に当たると黒くなるの?」の説明に出てきましたが、紫外線には

  • UVA
  • UVB
  • UVC

の3種類があります。

UVCはオゾン層で吸収され、基本的には地球上には届かないので、ここでの説明はカットします。
(”基本的には”と書いたのは、オゾン層破壊の影響で一部分UVCが地球上に降り注ぐようになってきているためです。)

紫外線というからには、UVAもUVBも波なんですが、それぞれの波長の長さによって区別されています。
UVAは波長が長く、UVBは波長が短いです。

波長の短いUVBについて

話の便宜上、UVBから説明します。
UVBは、皮膚の奥、およそ0.1mmくらいまで2~8%程度透過してきます。
0.1mmというと、大したことなさそうですが、表皮細胞の一番下あたりまでバッチリ透過してきます。
表皮細胞の一番下には、メラノサイトや生まれたての表皮細胞がいますから、肌にかなりダメージを与えます

波長の長いUVAについて

ここからが本題のUVAについてですが、

  • 約0.1mmまで(UVBと同じ) 50~60%程度
  • 約0.5mmまで(UVBの2倍) 7%程度
  • 約1.0mmまで(UVBの10倍) 0.5%程度

透過してくるとされています。

UVBの説明からも明らかですが、UVAは表皮を完全に透過します。
そして、恐ろしいことに真皮にまで到達してしまいます。
真皮には、肌に潤いや弾力を与えるコラーゲンやエラスチンなどが存在するほか、メラニン色素が作られすぎて真皮中に漏れ出してしまった時にメラニンを掃除してくれるマクロファージなども存在しています。

UVAを肌に浴びてしまうことは、次のような悪循環をもたらします。

  1. 表皮細胞の底にあるメラノサイトにダメージ
  2. メラノサイトがエラーを起こし、メラニン色素をじゃんじゃん作り出す
  3. 真皮層にまでメラニン色素が漏れ出す

シミの原因

  1. 真皮層にダメージ
  2. 免疫力が低下し、マクロファージによるメラニン色素の捕食がなされない
  3. 真皮の表面にメラニン色素が溜まる

シミの沈着

  1. 表皮細胞の分裂・増殖にエラーが生じる
  2. ターンオーバー異常が起こる

シミの居座り

以上は、美白の観点から見たUVAの悪影響ですが、美肌の観点で言えば、さらにシワやタルミなどの原因にもなります。

このように、紫外線の中でも特にUVAは肌に対して甚大な被害を及ぼします。
もちろん、UVBによる無視できるものではありませんが。

ここまでのまとめ

紫外線による日焼けは、大まかに言うと上記のようなメカニズムで起こります。

簡単にまとめると、このようになります。

  • 日焼けは3段階に分けて起こる。(一次黒化・サンバーン・二次黒化)
  • 日焼けを起こさせる紫外線には3種類あるが、現時点の日本で気をつけるのはUVAとUVBの2つ。
  • 肌へ与えるダメージは紫外線の種類によって異なり、UVAが特に深刻。
  • UVAは、肌の真皮層にまで透過し、シミやそばかすはもちろんのこと、シミやたるみ、皮膚がんなどをも引き起こす。
  • もちろんUVBも表皮細胞や色素細胞にダメージを与え、シミなどの原因になるほか、赤く腫れたり水ぶくれを引き起こす。

これらを踏まえて、最も効果の高い日焼け止め探しを行なっていくことになりますね。
次回は、効果的な日焼け止めの選び方についてお話します。

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